法学院(読み)ほうがくいん(英語表記)Inns of Court

翻訳|Inns of Court

大学事典 「法学院」の解説

法学院
ほうがくいん

インズ・オブ・コート(イギリス)。イングランドウェールズで活動する法廷弁護士のための法曹専門職団体。リンカンインナー・テンプル,ミドル・テンプル,グレイの四つの法学院があり,いずれもロンドンに位置する。法廷弁護士(イギリス)はすべて,いずれかの法学院に所属することが義務づけられている。法学院は評議員(bencher)と呼ばれる古参会員によって運営され,学生(studentあるいはinner barrister)や法廷弁護士などその構成員に対する教育・訓練,居住の場,資格の付与剝奪,監督の機能を有している。15世紀頃に誕生し,法曹専門職の教育機関・専門職団体として発展した。法曹に関する実務的知識・技能のみならず,ジェントルマンにふさわしい教養教育も提供したことから,「イングランド第三の大学」と呼ばれた。オックスブリッジを経て法学院に進む学生も多かった。両大学のカレッジとの類似は図書室,大食堂,方庭など敷地内の建物の配置や建築様式にも顕著である。
著者: 安原義仁

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「法学院」の意味・わかりやすい解説

法学院
ほうがくいん
Inns of Court

イギリス中世末以来ロンドンにできた法学生のための研究所宿舎協会。のちには法学教育も行い,「第3の大学」 (オックスフォードケンブリッジに次ぐ) とも呼ばれた。リンカンズ・イン Lincoln's Inn,インナー・テンプル Inner Temple,ミドル・テンプル Middle Temple,グレーズ・イン Gray's Innの4つがあり,今日でも法曹関係者はこれらのいずれかに所属している。

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