互いに垂直な方向に振動する直線偏光を通過させ,これらの間に所定の光路差,すなわち位相差を与える複屈折板(方解石などの結晶板)。複屈折板の厚さをd,互いに垂直な方向に振動する直線偏光(これらを常光線と異常光線という場合もある)の屈折率をn1,n2としたとき,光の真空中での波長をλとすると,光線間の位相差δはδ=(2π/λ)・(n1-n2)dで与えられる。δがπ/2,すなわち,(n1-n2)d=λ/4になるような厚さの複屈折をする板を四分の一波長板という。またδ=π,すなわち(n1-n2)d=λ/2となるような厚さの板を二分の一波長板という。一般に円偏光や楕円偏光は肉眼ではふつうの光と区別できないが,ニコルプリズムと四分の一波長板の組合せを用いることでこれらが区別できる。
執筆者:朝倉 利光
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…バビネ,またはバビネ=ソレイユの補償板などがあり,複屈折結晶から切り出したプリズムや平行平面板を組み合わせて構成される。また,位相差がπ/2,πなどの一定した素子をそれぞれ1/4波長板,1/2波長板などといい,雲母板をへき開したものが多く用いられる。【田幸 敏治】。…
※「波長板」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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