精選版 日本国語大辞典 「浮浮」の意味・読み・例文・類語
うか‐うか【浮浮】
- [ 1 ] 〘 副詞 〙 ( 「と」を伴う場合が多い )
- ① ものごとの状態や人の心などが安定しないさま。
- ② はっきりした心のはたらきがないさま。
- (イ) しっかりした計画や考えがなくて、いい加減なさま。
- [初出の実例]「名利名聞におぼれ、欲によくを重ね、後生をも願はず、只うかうかと暮すと申は」(出典:虎寛本狂言・呂蓮(室町末‐近世初))
- (ロ) 何かに気を取られて不注意でいるさま。
- [初出の実例]「君は御心にかかる事ばしさふらふか。只うかうかと見へさせ給ふか」(出典:浄瑠璃・凱陣八島(1685頃)四)
- (イ) しっかりした計画や考えがなくて、いい加減なさま。
- [ 2 ] 〘 名詞 〙 しっかりした考えがなくぼんやりしている人。
- [初出の実例]「うかうかどもは、させうか知らんが、〈略〉さうやすふはこけぬわへ」(出典:洒落本・箱まくら(1822)上)
うき‐うき【浮浮】
- 〘 副詞 〙 ( 「と」を伴う場合が多い ) 心の浮いているようなさまにいう。
- ① 気持が決まらないで、はっきりしないさま。また、心が乱れて落ち着かないさま。
- [初出の実例]「かくうきうきと頼みがたき有様を、思ひわびたるなめり」(出典:狭衣物語(1069‐77頃か)一)
- ② 心のはずむさま。晴れやかなさま。快活・軽快なさま。
- [初出の実例]「君といへば生ふるあさざの池水にうきうきとのみなる心かな〈藤原光俊〉」(出典:新撰六帖題和歌(1244頃)六)
- 「健康が思はしくないから余り浮き浮きしないで物思に沈むで居たに違いない」(出典:忘れえぬ人々(1898)〈国木田独歩〉)
ふ‐ふ【浮浮】
- 〘 形容動詞ナリ活用タリ 〙 ふわふわと動いて行くさま。
- [初出の実例]「帰来満籃香浮浮、此味可下向二城市一求上」(出典:六如庵詩鈔‐二編(1797)六・峩山松蕈歌)
- [その他の文献]〔楚辞‐九章・抽思〕
うかうか‐し【浮浮】
- 〘 形容詞シク活用 〙 心が落ち着かない、また、思慮の浅いさまをいう。うわついている。軽薄だ。
- [初出の実例]「たはれとはなびく也。〈略〉心浮かれたれば、うかうかしなど云も同じ事なり」(出典:仙覚抄(1269)二)
浮浮の派生語
うかうかし‐さ- 〘 名詞 〙
うき‐うき【浮浮】
うきうき‐し【浮浮】
- 〘 形容詞シク活用 〙 軽薄である。移り気だ。
- [初出の実例]「うへしのびてあひ奉り給て、このことをうちなげきつつゆくゆくと語り聞こえ給ふに、〈略〉あさましくうきうきしかりしあたりかなとおぼすに、とかく物ものたまはず」(出典:苔の衣(1271頃)二)