デジタル大辞泉
「浮立つ」の意味・読み・例文・類語
うき‐た・つ【浮(き)立つ】
[動タ五(四)]
1 心楽しく、うきうきして落ち着かない状態になる。「旅行を前にして心が―・つ」
2 気持ちがうわずる。そわそわする。「反撃を受けてチームが―・つ」
3 周りのものから区別されて、よく目立つ。引き立つ。
「遠くから見たと同じ様に―・たない家であった」〈漱石・満韓ところどころ〉
4 雲や霧がわき起こる。わき上がる。
「―・つ雲の跡もなく行く方知らずなりにけり」〈謡・浮舟〉
5 乱れて騒がしくなる。不安に動揺する。
「日を経つつ世の中―・ちて、人の心もをさまらず」〈方丈記〉
[類語]浮かれる・のぼせる・ほうける・喜ぶ
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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うき‐た・つ【浮立】
- 〘 自動詞 タ行五(四) 〙
- ① 空中に浮かび上がる。立ち昇る。
- [初出の実例]「くもるとも思ひぞはてぬ秋霧のうき立空に澄める月影〈藤原宗秀〉」(出典:続後拾遺和歌集(1326)秋下・三五二)
- ② 世間の状態、人の心などが動いて定まらない状態になる。
- (イ) 気持が上っ調子になって集中できなくなる。そわそわする。
- [初出の実例]「すべてことごと覚え給はねば、心もうきたちて」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)
- (ロ) 楽しく陽気になる。うきうきする。
- [初出の実例]「今一きは心もうきたつものは、春の気色にこそあめれ」(出典:徒然草(1331頃)一九)
- (ハ) 落ち着かないで騒がしくなる。不安に動揺する。
- [初出の実例]「日を経つつ世の中うきたちて、人の心もをさまらず」(出典:方丈記(1212))
- ③ ひときわ目立つ。ひきたつ。
- [初出の実例]「遠くから見たと同じ様に浮き立たない家であった」(出典:満韓ところどころ(1909)〈夏目漱石〉四二)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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