デジタル大辞泉
「惚ける」の意味・読み・例文・類語
ほ・ける【×惚ける/×呆ける】
[動カ下一][文]ほ・く[カ下二]《「ほげる」とも》
1 「ほう(惚)ける2」に同じ。「遊びに―・ける」
「かの中納言は―・けて、妻にのみ従ひて」〈落窪・三〉
2 「ぼ(惚)ける2」に同じ。「夕もやに景色が―・けて見える」
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
Sponserd by 
ほう・ける【惚・耄・蓬】
- 〘 自動詞 カ行下一段活用 〙
[ 文語形 ]ほう・く 〘 自動詞 カ行下二段活用 〙 - ① 知覚がにぶくなる。ぼんやりする。ぼっとなる。ぼける。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
- [初出の実例]「いみじくほうけて、ものもおぼえぬやうにてありければ」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)一四)
- ② 一つのことに夢中になる。のぼせる。
- [初出の実例]「博打の打ほうけてゐたるが見て」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)一)
- ③ ( 蓬 ) 草や毛髪などがほつれ乱れる。そそける。けばだつ。ぼぼける。
- [初出の実例]「髪をば早く結ふべし、ほふけたる体にて人々に見ゆる事、慮外」(出典:早雲寺殿廿一箇条(17C初)七条)
惚けるの補助注記
( 1 )「ほく(惚)」の変化した語とも、「ほほく」の変化した語ともいわれるが未詳。
( 2 )③の同義語に「ぼぼける」があり、この意だけは別語で歴史的かなづかいは「ほほける」だとする説もあるが明らかではない。
ほ・ける【惚・呆】
- 〘 自動詞 カ行下一段活用 〙
[ 文語形 ]ほ・く 〘 自動詞 カ行下二段活用 〙 ( 「ほげる」とも ) - ① 知覚がにぶくなる。ぼんやりする。ほうける。ぼける。
- [初出の実例]「かの中納言はほけて、妻にのみ従ひて」(出典:落窪物語(10C後)三)
- ② 夢中になる。我を忘れる。惚れこむ。深く思いをかける。
- [初出の実例]「内の女房は片足みじかいげなが、五十両の敷金にほげて持て」(出典:浮世草子・傾城禁短気(1711)二)
- ③ 古くなって色があせたり、けば立ったりしてくる。
- [初出の実例]「城内の菜畠ほける十夜哉」(出典:俳諧・文政句帖‐六年(1823)一〇月)
- ④ 相場が立会前の人気に反して安くなる。また、やや上げ相場が下落気味になる。
ぼ・ける【惚・暈】
- 〘 自動詞 カ行下一段活用 〙
[ 文語形 ]ぼ・く 〘 自動詞 カ行下二段活用 〙 ( 「ほける」から ) - ① 知覚がにぶくなる。ぼんやりする。ほうける。ほける。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
- [初出の実例]「老にぼけての戯れかは知らねど」(出典:当世商人気質(1886)〈饗庭篁村〉四)
- ② ( 暈 ) 色が薄れてはっきりしなくなる。また、物の輪郭や事実があいまいになる。ぼやける。〔日葡辞書(1603‐04)〕
- [初出の実例]「昔の幼稚な写真術で撮ったのだから、一体に茶色にぼけて」(出典:思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉二)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
Sponserd by 