海泡石(読み)カイホウセキ

デジタル大辞泉 「海泡石」の意味・読み・例文・類語

かいほう‐せき〔カイハウ‐〕【海泡石】

マグネシウムを含む含水珪酸けいさん鉱物多孔質・不透明で、きめが細かい粘土状の石。乾燥すると水に浮くほど軽くなる。喫煙具パイプなどに用いる。ミアシャムメアシャムセピオライトセピオ石

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精選版 日本国語大辞典 「海泡石」の意味・読み・例文・類語

かいほう‐せきカイハウ‥【海泡石】

  1. 〘 名詞 〙 マグネシウムを含む含水珪酸塩鉱物。灰白色の多孔質石で、タバコのパイプなどに用いられる。小アジア産。〔英和和英地学字彙(1914)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「海泡石」の意味・わかりやすい解説

海泡石 (かいほうせき)

広義には英名セピオライトsepioliteと呼ばれるマグネシウム粘土鉱物の一種で,化学組成はMg9Si12O30OH6(OH24・6H2Oで表される。比重約2.1,モース硬度2。多くは白色,灰白色,淡紅色,淡青色,淡黄色などを呈する。石灰岩ドロストーンなどの中に,粗ぼうな粘土状,土状を示す軟らかい脈,塊として産出することが多い。化学的には陽イオン交換性が高く,さまざまに利用される。電子顕微鏡で観察すると,長柱状を示すことも特徴である。日本では栃木県葛生地方のドロマイト鉱床から粘土状のものがわずかに産する。資源的にはスペインのマドリード郊外から産するものが著名である。セピオライトの名称はその産出状態がコウイカの甲の形状に類似しているためコウイカを意味するスペイン語sepiaから命名された。

 狭義には,上述の鉱物のうち,淡青緑色半透明緻密な塊状として産し,細工物,特にパイプ材料として珍重されるものをいい,ドイツ語ではMeerschaum(海泡の意)と呼ばれる。名称の起源は,その呈する特有の色が,泡立った海水の美しさに似ていることによるとされている。
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百科事典マイペディア 「海泡石」の意味・わかりやすい解説

海泡石【かいほうせき】

灰白色または黄赤色か青緑色を帯びた繊維状の鉱物。蛇紋岩スカルン温泉沈殿物などに産出。化学式はMg4Si6O15(OH)26H2Oで,Al,Fe,Na,Hを少し含む。斜方晶系。硬度2〜2.5,比重2.25。乾燥時には水に浮かぶほど軽く,手ざわりは緻密(ちみつ)でパイプ材(メアシャウム)として珍重。小アジアに主産,ウィーンの細工彫は有名。
→関連項目パイプ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「海泡石」の意味・わかりやすい解説

海泡石
かいほうせき

「セピオライト」のページをご覧ください。

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