セピオ石(読み)せぴおせき(英語表記)sepiolite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「セピオ石」の意味・わかりやすい解説

セピオ石
せぴおせき
sepiolite

繊維状結晶が絡み合って皮のような集合をする鉱物。いわゆる山皮の一種である。セピオライトともいう。塊状のものは軽くて粉末になりにくい。また乾燥したものは水に浮き、海泡石(かいほうせき)ともいう。このようなものは彫刻がしやすいので、装飾品やパイプ(海泡石パイプ)に使われることがある。超塩基性岩石灰岩苦灰岩などの中に脈あるいは塊をなして産する。セピオ石に似たものにパリゴルスキー石がある。これは化学成分と結晶構造が異なるが、外観や物性はきわめて類似するためセピオ石と区別しがたい。多孔質で軽いのがイカの甲に似ているところから、英名はイカを意味するギリシア語に由来する。

松原 聰]


セピオ石(データノート)
せぴおせきでーたのーと

セピオ石
英名sepiolite
化学式Mg4Si6O15(OH)2・6H2O
少量成分Fe,Mn,Ni
結晶系斜方
硬度2.5
比重2.1
白,灰,淡褐,淡緑
光沢土状~絹糸
条痕
劈開一方向に完全(「劈開」の項目参照

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

お手玉

世界各地で古くから行われている遊戯の一つ。日本では,小豆,米,じゅず玉などを小袋に詰め,5~7個の袋を組として,これらを連続して空中に投げ上げ,落さないように両手または片手で取りさばき,投げ玉の数や継...

お手玉の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android