海津庄(読み)かいづのしよう

日本歴史地名大系 「海津庄」の解説

海津庄
かいづのしよう

室町幕府御料所。長享三年(一四八九)七月二九日の室町幕府奉行人連署奉書(華頂要略)に「青蓮院門跡領江州海津東浜嶮熊野庄」とみえ、明応九年(一五〇〇)三月一二日の浅井慶集寄進状(竹生島文書)に「高島郡海津庄大所・開田内」とみえることから、嶮熊野けんくまの庄・開田かいで庄・大処おおところ庄を含む地域一帯を室町期に海津庄と称したと考えられる。享徳三年(一四五四)頃と思われる旦那在所注文(熊野那智大社文書)によれば、海津東浜ひがしはま一〇村は「なかむら 塩やの谷 なかふち こあらいち てんのくま ありはら 中村 うら 下の村 しら谷」で、海津西浜一一村は「西はま かひてん まきの いしは つし もりのにし ひろくち さわ しんほう 中之庄 ちない」とあり、現マキノ町のほぼ全域を、うらと上開田・下開田の間の山の尾根を境に東西に分け、海津東浜・海津西浜と称したと考えられる。

明徳三年(一三九二)三月八日、五藤三米借用証文(菅浦文書)に「かいつのいちはの田」とみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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