デジタル大辞泉 「涸らす」の意味・読み・例文・類語 から・す【×涸らす】 [動サ五(四)]1 水のかれた状態にする。「井戸を―・す」2 乾燥させる。水分をなくする。「鰹節でも―・しておくようなことを言って」〈紅葉・二人女房〉3 持っている物などを出しつくす。「泣きすぎて涙を―・す」「才能を―・す」 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「涸らす」の意味・読み・例文・類語 から・す【涸・枯・嗄】 〘 他動詞 サ行五(四) 〙[ 一 ] ( 涸 )① 乾燥させる。かわかして水分をなくす。[初出の実例]「Torreo〈略〉エンテンニ モノヲ テリ carasu(カラス)、または、カンテンニ イテ carasu(カラス)」(出典:羅葡日辞書(1595))「気長に待つが可(え)えなどと、鰹節でも乾(カラ)しておくやうなことを言って」(出典:二人女房(1891‐92)〈尾崎紅葉〉下)② 汲み出したり、蒸発させたり、流入を防いだりして、池や川の水などをなくす。[初出の実例]「業を良田と為(し)、〈略〉愛をば慈潤と為(し)ぬる三種の流れを枯(カラし)涸(か)れしめむと欲ふ」(出典:地蔵十輪経元慶七年点(883)二)③ ( 水を汲み尽くす意から ) 物事をやり尽くす。ものを先々まで言い尽くす。[初出の実例]「コトバノ サキヲ carasu(カラス)」(出典:日葡辞書(1603‐04))「はて先きをからさずと、かけて見やれ」(出典:咄本・近目貫(1773)なぞ)④ 気力、感情、才能などをなくさせる。また、出ないような状態にする。[初出の実例]「胃病の源を涸らす訳だから」(出典:吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉二)「情熱を枯らしたやうなのは」(出典:ヰタ・セクスアリス(1909)〈森鴎外〉)[ 二 ] ( 枯 )① 草木を枯れさせる。また、花や葉を落とす。[初出の実例]「雹りて、草木の花葉を傷(カラセ)り」(出典:日本書紀(720)皇極二年二月(岩崎本訓))「冬の霜の群葉をからすに同じ」(出典:平家物語(13C前)七)② 未熟なところをなくす。熟達させる。[初出の実例]「手をからしたるためし物の上手にて」(出典:甲陽軍鑑(17C初)品四〇下)[ 三 ] ( 嗄 ) 声をかすれさせる。しゃがれ声にする。声を出し尽くして、それ以上声が出ないようにする。[初出の実例]「松虫の鳴きからしたる声も折り知りがほなるを」(出典:源氏物語(1001‐14頃)賢木)「芸人の殆どが咽をからしてゐる」(出典:彼女とゴミ箱(1931)〈一瀬直行〉インチキ・レビュー、万歳、安来節、其の他) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例