深沈(読み)シンチン

デジタル大辞泉 「深沈」の意味・読み・例文・類語

しん‐ちん【深沈】

[名・形動]落ち着いていて、物事に動じないこと。深くもの静かなこと。また、そのさま。
「―なる荒尾も已むを得ざらんように破顔しつ」〈紅葉金色夜叉
[ト・タル][文][形動タリ]
落ち着いているさま。「深沈として動じない」
白色―たる大理石像」〈上田敏美術翫賞
夜が静かに更けていくさま。「秋の夜が深沈と更ける」

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精選版 日本国語大辞典 「深沈」の意味・読み・例文・類語

しん‐ちん【深沈】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動ナリ・タリ )
  2. 落ち着いて物事に動じないこと。また、そのさま。沈着。
    1. [初出の実例]「師之平居、深沈寡語」(出典:東海一漚集(1375頃)三)
    2. 「マルツラバースは英人の深沈(シンチン)なるに似ず、事物の奇異を喜び」(出典花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉四)
    3. [その他の文献]〔北史‐斉神武本紀〕
  3. ふかくもの静かなこと。夜の深く静かにふけてゆくこと。夜がふけて物音一つ聞こえないこと。また、そのさま。〔日葡辞書(1603‐04)〕

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普及版 字通 「深沈」の読み・字形・画数・意味

【深沈】しんちん

沈着で奥ゆかしい。〔北史、斉神武帝紀〕武、に世を北邊に累(かさ)ぬ。故に其の俗にひ、に鮮に同じ。長じて深沈にして大度り。財を輕んじ士を重んじ、豪の宗とすると爲る。

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