清徳院(読み)せいとくいん

日本歴史地名大系 「清徳院」の解説

清徳院
せいとくいん

[現在地名]大津市膳所二丁目

浄土宗で、達磨山と号する。本尊は平安時代の作とされる木造阿弥陀如来坐像(国指定重要文化財)。山号は達磨堂安置の聖徳太子作という伝承をもつ木造達磨像(高さ一尺四寸五分)に由来する。元禄九年(一六九六)の「浄土宗寺院由緒書」によれば、大津華階けかい寺末、開山は徳誉達秀で慶長一五年(一六一〇)没。末寺内畑うちはた(現大津市)の勝運山法蔵ほうぞう寺がある。「輿地志略」によると、往古は今の寺地南東浜田はまだにあり、近江国分寺の別所として繁栄したという。周辺には達磨だるまかいど・塚原つかはら茶屋ちややまえ方丈ほうじようまえといった地名が残る。中古には達磨像を安置する草堂のみとなったが、膳所ぜぜの土民の間で尊崇され、信者たちは達磨宗と称していた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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