朝日日本歴史人物事典 「源周子」の解説
源周子
生年:生年不詳
平安前期の醍醐天皇の更衣。嵯峨天皇の孫源唱の娘。「ちかこ」とも。近江御息所,近江更衣と称される。延喜2(902)年2月殿上において賭弓が行われた際に物を献じ,翌年1月の内宴では陪膳に奉仕し,禁色を許された。勤子内親王,都子内親王,雅子内親王,時明親王,のちに源朝臣姓に降下した源高明,源兼子,盛明親王らを生んだ。醍醐天皇のもとで某年の春,近江御息所歌合を主催するなど和歌にすぐれていた。『後撰集』『新古今集』『玉葉集』に醍醐天皇とかわした歌が各1首,残されている。
(谷口美樹)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報