出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…また元の雑劇の作者が一般に社会的地位の低かったのに比べて,明代では著名な読書人が戯文を書くようになり,戯曲文学の地位が向上した。その契機を作ったのは,元末・明初の文人高明である。高明は至正年間(1341‐68)の進士であり,詩人としても知られていたが,後漢の蔡邕(さいよう)を主人公とする《琵琶記》を書いた。…
…雑劇
[文人による才子佳人劇]
14世紀中ごろより,ようやく従来の面目を一新し活力を得てきたのが,宋以来南方の地に行われていた〈南戯〉(〈戯文〉ともいい,のちには〈伝奇〉といった)であった。元末・明初のころには,高明によって名作《琵琶記》が書かれ,ほぼ同時期には《荆釵(けいさ)記》《白兎(はくと)記》《幽閨記》《殺狗記》のいわゆる〈四大作〉が出て,にわかに脚光を浴びるようになり,雑劇にかわって主座の地位をしめるにいたった。南戯は雑劇に比べて制約の枠がずっとゆるやかで,〈折〉に相当する〈齣(せき)〉の数には制限がなく,多くは30齣から40齣,あるいは50齣をこえるものもある。…
…歌唱担当の俳優は複数化し,筋も複雑化し,一編の長さが50齣(せき)に及ぶものさえ出現した。元末に高明(1310‐80)が《琵琶記》を創作してから確立し,明初に朱権の《荆釵記(けいさき)》,施君美の《拝月亭》,明末に王世貞の《鳴鳳記》,湯顕祖の《還魂記》《邯鄲記》《紫釵記》《南柯記》等に至って最高潮に達し,北方にも広まった。【内山 知也】。…
…南方系の楽曲による戯文。作者高明は文人としても著名。後漢の蔡邕(さいよう)の出世と栄華な生活に,故郷に残された両親や妻の趙五娘の苦労を,対照させつつ筋を展開し,趙五娘の貞節を強調した作品。…
※「高明」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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