源頼朝像(読み)みなもとのよりともぞう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「源頼朝像」の意味・わかりやすい解説

源頼朝像
みなもとのよりともぞう

京都神護寺に伝わる 12世紀末の源頼朝肖像画。同寺仙洞院 (1188建立) には後白河法皇の画像を中心に源頼朝,平重盛,藤原光能 (みつよし) ,平業房の4廷臣像が置かれていたが,法皇と業房を除く3像のみ現存。なかでも頼朝像は当初の原画の状態を最もよくとどめ,特にその頭部は裏彩色を用いた白地細密な墨線を重ねて眼鼻を描き出し,迫真の技を示す。強 (こわ) 装束黒袍の鋭い輪郭の造形的効果とともに,肖像画に新しい様式を開いたものといえ,藤原隆信筆との伝承を首肯させる。国宝

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「源頼朝像」の解説

源頼朝像
みなもとのよりともぞう

鎌倉あるいは南北朝期の肖像画。「神護寺略記」によれば,1188年(文治4)に建立された神護寺仙洞院には,後白河上皇の画像を中心に平重盛・源頼朝・藤原光能(みつよし)・平業房(なりふさ)の画像が安置され,これらは藤原隆信によって描かれたとある。現在同寺に伝わる重盛・光能・頼朝像とされる3像はこれにあたると推定されるが,頼朝像を足利直義,重盛像・光能像を足利尊氏・同義詮の画像にあてる説もある。なかでも頼朝像は保存がよく,細密ですぐれた顔貌表現がみられる。絹本着色。縦139.4cm,横111.8cm。神護寺蔵。国宝。

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旺文社日本史事典 三訂版 「源頼朝像」の解説

源頼朝像
みなもとのよりともぞう

鎌倉初期,源頼朝の肖像画
京都神護寺にある5画像の一つ。当時の写実的傾向を代表する作品。『平重盛像』とともに藤原隆信の筆と伝えられる。

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