漁業公害(読み)ぎょぎょうこうがい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「漁業公害」の意味・わかりやすい解説

漁業公害
ぎょぎょうこうがい

漁業水域を生産活動の場としているため,工場排水,都市排水,農薬や家畜屎尿の流入船舶からの油の排出,流出などによる水質汚濁の影響を受けやすい。公害による漁業被害は,シアンなどの有害物質による魚介類の斃死異臭魚の発生や油付着による商品価値の低下,水域環境の変化や水底への有機物の堆積による産卵場,藻場,稚魚育成場の荒廃や生物相の変化など多岐にわたっている。また,水銀などの重金属が魚介類に濃縮蓄積され,それを食用とした人の健康を害する問題が生じることもある。このような漁業公害が,1970年の水質汚濁防止法をはじめとする関係法令整備の大きな要因となった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む