漢字三音考(読み)カンジサンオンコウ

精選版 日本国語大辞典 「漢字三音考」の意味・読み・例文・類語

かんじさんおんこうカンジサンオンカウ【漢字三音考】

  1. 漢字音の研究書。一巻本居宣長著。天明五年(一七八五)刊。漢字音について、漢音、呉音、唐音の三種を論説したもの。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「漢字三音考」の意味・わかりやすい解説

漢字三音考
かんじさんおんこう

本居宣長著。1巻。天明5 (1785) 年刊。「皇国の音」および呉音漢音唐音の3種の漢字音について述べたもの。「外国の音と違ってわが皇国の音は正しく純粋であり,半濁音のような不正な音はわが国の古語にはない」などの国粋主義的な見解も述べている。しかし一方,呉音は中国南方音であり,日本には古くから伝わり,いまでも仏書に使われているのに対し,漢音は中原の音であり,呉音のあとに伝わったが,正音として広められたとする呉音漢音の由来や,音便の整理などにすぐれた考えを出している。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android