古来,パピプペポの5音を半濁または半濁音とよびならわしてきている。また,ハ行のかなの肩につける〈°〉を半濁音符また半濁点ということがある。この半濁という名目が,清音および濁音に対して設けられたのは,いつのことか知りがたいが,観応の《補忘記(ぶもうき)》(1687)にはすでに用いられている。他方,同時代の契沖の《和字正濫鈔(わじしようらんしよう)》(1693)では,半濁のことを〈清濁の間の音〉として説いているが,とくに半濁という名目はみえていない。こんにちのハ行音は,もとはpの音であったと推定されている(すなわち,たとえば[hana](花)は,むかしは[pana]であったと推定される)。しかし,その後このpは,発音の上でfに似た音に変化した。ところが,このp→fの変化が完成したのちの状態における時代に,その時代のハヒフヘホ(およびバビブベボ)とは別に,〈アハレ〉に対する〈アッパレ〉,〈マフタツ〉に対する〈マップタツ〉,雪片の片の〈ペン〉などのパやプやペの音,または擬声的な,〈ピンピン〉とか〈ポンポン〉とかいう場合のピとかポとかいう音が,gに対するkや,dに対するtに並行して,bに対する音として登場してきた。半濁音とは,このようなpの音をさすのである。
執筆者:亀井 孝
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