瀬戸堰(読み)せとせぎ

日本歴史地名大系 「瀬戸堰」の解説

瀬戸堰
せとせぎ

現山北町の瀬戸で酒匂さかわ川より引水し、五〇分一から一〇〇分一の勾配で東方へ流れ、旧川村山北かわむらやまきた川村岸かわむらきし川村向原かわむらむこうはらの三ヵ村を灌漑し、流末は原耕地はらごうち(現松田用水)酒匂川とに注ぐ用水

川村三ヵ村は元来用水に乏しく畑方の村であったが、元禄一六年(一七〇三)の大地震、宝永四年(一七〇七)の富士山噴火による降砂と翌年の酒匂川洪水で大きな被害を受けた。川村山北の名主弥五右衛門は、水害を絶つべく村央を流れる皆瀬みなせ川の瀬替えをして村西から酒匂川へ落す工事を幕府に申請し、同六年に実現した(「二階堂家伝来旧記書」般若院文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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