デジタル大辞泉
「火天」の意味・読み・例文・類語
か‐てん〔クワ‐〕【火天】
《〈梵〉Agniの訳》もとインド神話の火神アグニが、仏教に入って仏法擁護の神となったもの。密教では十二天の一。からだは赤く、髪は白く、仙人の形をし火炎中に座して右の二手に三角印と数珠、左の二手に水瓶と仙杖を持つ。
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か‐てんクヮ‥【火天】
- ( [梵語] Agni の訳語 ) 仏語。インド神話の火神から仏教に転入した仏法擁護の神。密教では、八天、十二天などの一つ。胎蔵界曼荼羅では外金剛部東南隅に列する。体は赤色、髪は白色。常に苦行仙人の形をして火炎中に座し、四本の手に、三角印、数珠(じゅず)、水瓶、仙杖を持つ。智火で煩悩(ぼんのう)を焼き尽くすという。火光尊。火仙。火神。
- [初出の実例]「此の犬は、汝が父兜調(とてう)が成たるには非ずや。彼(かの)兜調は火天(くゎてん)を祭て梵天を願ひしかども、犬の身と成て汝に養育せらるる也」(出典:今昔物語集(1120頃か)三)
- [その他の文献]〔大日経疏‐五〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内の火天の言及
【十二天】より
…12の天部は四方(東西南北)と四維(南東,南西,北西,北東)の8方と上方,下方の10方位に配置される十尊と日天(につてん),月天(がつてん)である。すなわち,[帝釈天](たいしやくてん)(東),火天(かてん)(南東),閻魔天(えんまてん)(南),羅刹天(らせつてん)(南西),水天(すいてん)(西,[バルナ]),風天(ふうてん)(北西),[毘沙門天](びしやもんてん)(北),伊舎那天(いしやなてん)(北東),[梵天](ぼんてん)(上),地天(ちてん)(下),日天,月天となる。十二天像は画像で表現される。…
※「火天」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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