為我説(読み)いがせつ

改訂新版 世界大百科事典 「為我説」の意味・わかりやすい解説

為我説 (いがせつ)

中国戦国時代楊朱のとなえた学説。〈我が為にする〉個人主義立場であり,〈一毛を抜いて天下を利するも為さざるなり〉と徹底していた。しかし独善ではなく,また利己に傾いたものでもない。個人としての主体性を確立し,社会的ないっさいのものに干渉されない安定を確保しようとしたのである。墨子兼愛説とは正反対であったが,ともに一時に盛行し,孟子によって〈父を無(な)みし君を無みす〉と非難された。
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