無仏世界(読み)ムブツセカイ

デジタル大辞泉 「無仏世界」の意味・読み・例文・類語

むぶつ‐せかい【無仏世界】

仏語。仏のいない世界釈迦入滅してから弥勒菩薩みろくぼさつが出現するまでの世界。この間は地蔵菩薩衆生を救うという。
仏教の及ばない土地文化の及ばない土地。
「―の孤島に生まれて」〈読・弓張月・後〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「無仏世界」の意味・読み・例文・類語

むぶつ‐せかい【無仏世界】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 仏語。仏のいない世界。釈迦が入滅した後、彌勒菩薩がまだ現われない間の時代。この間は地蔵菩薩が出現して、衆生を救うという。
    1. [初出の実例]「地蔵は〈略〉無仏世界の導師、本師付嘱の薩埵也」(出典:貞享版沙石集(1283)一)
    2. [その他の文献]〔除蓋障菩薩所問経‐一二〕
  3. 仏教の恩沢のおよばない土地。文化の至らない田舎。
    1. [初出の実例]「よしなし、さる無仏世界のやうなる所に、いかじ。ここに居なむと思ふ心つきて」(出典:古本説話集(1130頃か)六五)
  4. ( 形動 ) 思いやりの心がないこと。無慈悲であること。また、そのさまやその人。
    1. [初出の実例]「Mubutxecaina(ムブツセカイナ) モノ」(出典日葡辞書(1603‐04))
  5. 知恵のない者。愚か者。〔諺苑(1797)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

ローマ法王ともいう。ラテン語 Papaの称号はカトリック教会首長としてのローマ司教 (教皇) 以外の司教らにも適用されていたが,1073年以後教皇専用となった。使徒ペテロの後継者としてキリスト自身の定...

教皇の用語解説を読む