山川 日本史小辞典 改訂新版 「無著・世親像」の解説
無著・世親像
むぢゃく・せしんぞう
奈良市の興福寺北円堂の中尊弥勒仏と一具をなす像で,1212年(建暦2)頃,運慶とその一門の仏師たちによって完成された。ともに悟りの境地にも似た奥深い精神性とゆるぎない彫刻性を示し,運慶晩年の円熟した作風がうかがえ,日本彫刻史上の名作の一つ。無著と世親は5世紀頃インドで活躍した兄弟の学僧で,法相(ほっそう)の教学を確立したことで知られる。高さは無著194.7cm,世親191.6cm。興福寺蔵。国宝。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報