興福寺北円堂(読み)こうふくじほくえんどう

山川 日本史小辞典 改訂新版 「興福寺北円堂」の解説

興福寺 北円堂
こうふくじほくえんどう

721年(養老5)藤原不比等(ふひと)を記念する建築として創建八角円堂。現在の建築は1180年(治承4)の平家の南都焼打後,1210年(承元4)に再建された。部材比例が太く力強い奈良時代の伝統的な建築様式を伝える。長押(なげし)の裏側に貫(ぬき)を用いており,和様に大仏様影響を与えたことがわかる初例。国宝

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の興福寺北円堂の言及

【和様建築】より

… 次に和様および折衷様の代表的例を示す。奈良では鎌倉時代の興福寺北円堂(1210),同三重塔(12世紀末),法隆寺聖霊院(1284),室町時代の興福寺東金堂,同五重塔などが古代的な和様で,元興寺極楽坊本堂(1244),長弓寺本堂(1279)などは大仏様の細部をとり入れている。京都の蓮華王院本堂(1266),大報恩寺本堂(1227),滋賀県の石山寺多宝塔(1194),西明寺三重塔(鎌倉中期)なども和様の代表作である。…

※「興福寺北円堂」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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