熱水変質作用(読み)ネッスイヘンシツサヨウ(その他表記)hydrothermal alteration

関連語 英彦 島崎

改訂新版 世界大百科事典 「熱水変質作用」の意味・わかりやすい解説

熱水変質作用 (ねっすいへんしつさよう)
hydrothermal alteration

地殻内の高温水溶液(熱水)との反応により,既存の岩石中の鉱物共生や組織が変化する作用。地殻内にはさまざまな起源をもつ熱水(鉱化流体)があり,移動,滞留,循環などを起こしている。地殻内の岩石は低温(堆積岩など)から高温(火成岩など)にいたるさまざまな温度で形成され,その温度で安定な鉱物組合せをもっている。これらの岩石が,さまざまな温度の熱水(通常100~600℃程度)と接触すると,熱水との間に熱と物質の交換を行い,その条件下で安定な鉱物の組合せに変化する。水溶液が存在しているため反応が速く,多量の物質移動を伴うこと,また変化の及ぶ範囲が比較的狭いことが,変成作用との相違点である。変質をうける岩石や熱水の化学組成・温度により,生成する鉱物(変質鉱物)は大きく異なるが,既存の無水ケイ酸塩鉱物の多くは,緑泥石,絹雲母,緑レン石,各種の粘土鉱物や沸石類などの含水ケイ酸塩鉱物に変化する。これらの鉱物共生を支配する温度,熱水の化学組成などは,熱水の供給通路から変質の及ぶ末端部に向かって規則的に変化することが多いので,熱水変質にはしばしば変質鉱物の帯状分布がみられる。
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最新 地学事典 「熱水変質作用」の解説

ねっすいへんしつさよう
熱水変質作用

hydrothermal alteration

熱水溶液と岩石の反応によって起こる岩石あるいは鉱物の変質作用。熱水作用で生成した鉱床の周囲の変質は母岩変質と呼ばれる。鉱物の分解・生成,岩石と鉱物の組織・化学成分の変化,脱色による白色化や同位体組成の変化も含む。熱水溶液の組成・温度,岩石の組成・透水性などが変質作用の要因となる。熱水溶液は岩石の割れ目流動,あるいは岩石の孔隙や鉱物粒間に浸透する。鉱物粒内の拡散による成分の移動も起こる。水/岩石比は0.1~4程度と推定されている。変質過程の重要な化学反応には加水分解(水素イオン交代作用:hydrogen ion metasomatism)・水和・塩基交代作用・酸化還元反応がある。熱水変質の空間的広がりは鉱体から数cmにすぎないものから数kmに及ぶ。しばしば鉱体を中心に熱水変質の累帯分布が存在し,変質作用が鉱化作用と密接に関連していることを示唆するとともに鉱床探査の有力な指針となる。

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参照項目:変質タイプ

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岩石学辞典 「熱水変質作用」の解説

熱水変質作用

岩石が低温低圧条件下で起こした変化過程.続成作用(diagenseis)と同義膠結作用(cementatin)や再結晶作用などが含まれる[Harker : 1889].熱水液の作用で岩石が変質すること[渡辺編 : 1935].

熱水変質作用

熱水作用によって岩石が変質して新しい鉱物が生じる作用の総称

出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報

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