日本大百科全書(ニッポニカ) 「膠結作用」の意味・わかりやすい解説
膠結作用
こうけつさよう
cementation
軟らかい未固結の堆積(たいせき)物から硬い堆積岩に変わる過程(続成作用)のうちの作用の一つ。セメント化ともいう。離れ離れの状態にある礫(れき)や砂などの構成粒子が、それらのすきまに沈殿する鉱物成分によって結び付く現象。その沈殿物を膠結物質といい、それには炭酸カルシウム、シリカ(二酸化ケイ素)、酸化鉄などがある。これらの物質は、堆積物の沈積と同時に含まれるか、あるいは堆積物中にのちに循環水に溶けて運ばれてきて、堆積物が埋没して温度が上昇するにつれて、構成粒子間に沈殿する。この作用の結果、堆積物の空隙(くうげき)率は減少し、堆積物は固結して硬くなり石化する。
[斎藤靖二]
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