膠結作用(読み)こうけつさよう(その他表記)cementation

翻訳|cementation

日本大百科全書(ニッポニカ) 「膠結作用」の意味・わかりやすい解説

膠結作用
こうけつさよう
cementation

軟らかい未固結堆積(たいせき)物から硬い堆積岩に変わる過程(続成作用)のうちの作用の一つ。セメント化ともいう。離れ離れの状態にある礫(れき)や砂などの構成粒子が、それらのすきまに沈殿する鉱物成分によって結び付く現象。その沈殿物を膠結物質といい、それには炭酸カルシウムシリカ二酸化ケイ素)、酸化鉄などがある。これらの物質は、堆積物沈積と同時に含まれるか、あるいは堆積物中にのちに循環水に溶けて運ばれてきて、堆積物が埋没して温度が上昇するにつれて、構成粒子間に沈殿する。この作用の結果、堆積物の空隙(くうげき)率は減少し、堆積物は固結して硬くなり石化する。

[斎藤靖二]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

岩石学辞典 「膠結作用」の解説

膠結作用

多孔質の破砕質の岩石間隙を充填する作用で,石化作用の重要な過程として認識されていた[Playfair : 1802].砕屑堆積物の粒子間の孔隙に鉱物質が沈澱して粒子を結合する現象で,その結果堆積物は堆積岩になる[片山ほか : 1970].

出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報

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