再結晶作用(読み)サイケッショウサヨウ(その他表記)recrystallization

デジタル大辞泉 「再結晶作用」の意味・読み・例文・類語

さいけっしょう‐さよう〔サイケツシヤウ‐〕【再結晶作用】

変成作用のとき、岩石中で、固体状態のまま新しい結晶ができること。

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岩石学辞典 「再結晶作用」の解説

再結晶作用

再結晶とは塑性変形を受けた結晶が,それより十分高い温度で加熱されたとき,新しく歪の少ない同じ鉱物種の結晶粒が出現する現象.一般には結晶粒界が移動することで自由エネルギーが減少する過程である[阿部 : 1969].再結晶作用では固体の岩石の以前の結晶が置き換わって組織が再編成され,その作用の前後には結晶の種類が変化しない場合に使用されるが,変成作用では温度や圧力の変化で既存の鉱物が反応して,新しい条件の下で安定な異なった種類の鉱物に変化する場合も再結晶作用とよんでいる.

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「再結晶作用」の意味・わかりやすい解説

再結晶作用
さいけっしょうさよう
recrystallization

固体のままで岩石中で新しい結晶が生じる現象。この現象は温度,圧力などの外的条件が変化したとき,もとの岩石中の鉱物が不安定になり,新しい鉱物 (結晶) が成長することによって起る。岩石の再結晶作用は変成作用一つである。多くの場合,岩石は再結晶作用によって鉱物の粒径が大きくなり,ある鉱物が特定方位に向くようになる。

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世界大百科事典(旧版)内の再結晶作用の言及

【変成作用】より

…このとき砂岩や泥岩に含まれる石英,斜長石,雲母などの鉱物は化学反応を起こして,黒雲母やキン青石,カリ長石などの鉱物が生ずる。このように岩石中で新しく鉱物が成長するプロセスを再結晶作用という(再結晶作用という場合,微粒の結晶が大きく成長するプロセスもいうが,ふつうは化学反応によって新しく鉱物が成長することをいう)。このように考えると再結晶作用は変成作用のおもなプロセスであるといえる。…

※「再結晶作用」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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