燐鉱床(読み)りんこうしょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「燐鉱床」の意味・わかりやすい解説

燐鉱床
りんこうしょう

主として燐灰石により構成される鉱床。燐鉱床は成因的に、マグマ成鉱床と堆積成鉱床(たいせきせいこうしょう)とに大別できる。燐灰石の化学組成は鉱床生成型により異なり、マグマ成鉱床ではCa5(PO4)3(F,Cl,OH)、堆積成鉱床ではCa10(PO4)6(CO3)(H2O)と一般的に記載されている。マグマ成鉱床のうち、代表的なものはカーボナタイト鉱床である。大陸地殻の楯状地(たてじょうち)にはアルカリ複合岩体およびこれに伴うカーボナタイトが分布する。カーボナタイトには大量の燐灰石が伴うことがある。ロシア連邦のコラ半島にあるヒビナKhibina鉱床や南アフリカのパラボラPalabora鉱床などが有名である。堆積成鉱床のうち、とくに重要なものは海成層中に発達する層状燐灰土鉱床である。深海水には海面に近い海水よりも多量の燐酸塩が溶解しているので、深海水が上昇してくる大陸棚には大規模な堆積成燐鉱層ができる環境が準備されている。水温の高いほうが燐灰石生成の反応速度が速いので、鉱床は温暖な地域に形成されることが多い。このような理由により、低緯度ないし中緯度の大陸縁辺部(主として大陸の西側)に沿う海域において、冷深層流と温暖海水との交会部で鉱床が生成される。燐灰土は燐灰石を多量含む集合体で、方解石や海緑石を随伴する。このうち、稼行対象となる燐品位はP2O5で30%以上である。また、燐灰土鉱層の厚さは一般に1~3メートルで、その上・下位には燐灰質頁(けつ)岩、石灰質頁岩、ドロマイト、チャート、珪藻(けいそう)土、海緑石砂岩などの地層を伴う。地質時代はさまざまで先カンブリア時代から現世にわたる。大規模な鉱床として、中国の先カンブリア時代(5~7億年前)、アメリカのアイダホ州およびその周辺部の古生代(約2億6000万年前)、カリフォルニアの新第三紀中新世、メキシコ北西部のジュラ紀、西北アフリカや中近東白亜紀~新第三紀鮮新世の鉱層が有名である。

[金田博彰]

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最新 地学事典 「燐鉱床」の解説

りんこうしょう
燐鉱床

phosphate deposit

りん酸カルシウムを採掘する海成堆積鉱床とマグマ鉱床がある。前者はりん灰石層が,泥岩,石灰質頁岩,砂岩,ドロマイトなどに伴う。PO 25%以上。厚さ1~10mで1万kmに及ぶ。米国フロリダ州,モロッコ・チュニジアや中近東の鉱層は有名。寒暖の海水境界で生成。後者は,かすみ石閃長岩やカーボナタイトに伴うりん灰石濃集帯で,コラ半島のコブドールやキビナ過アルカリ複合岩体,南アフリカのパラボラカーボナタイトが例。世界の2021年産量は2.2億t,主産国は中国,モロッコ,米国,ロシア。堆積鉱床産が85%,残りはマグマ鉱床。

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