apatite
りん灰石上族,りん灰石族の総称。そのうちCaとPO4からなるものをたんにりん灰石ということが多い。アパタイトとも。fluorapatite・hydroxylapatite・chlorapatiteの3種類あるが,とくにフッ素りん灰石を意味することも多い。Ca5(PO4)3(F, Cl, OH) 六方晶系,空間群P63/m, 格子定数a0.9368~0.9634nm, c0.6778~0.6884, a/cが大きい順に,Cl, OH, Fの端成分に富む。単位格子中2分子含む。フッ素りん灰石では,Fは対称面の上にあり,その対称は六方晶系である。一方,水酸または塩素りん灰石では,OHやClは対称面からはずれるために,その対称は単斜晶系(b=2a)まで低下する。(F, Cl)や(F, OH)りん灰石では,F/ClやF/OHの秩序配列のために,対称性は単斜晶系や三斜晶系まで低下する。CaはSr, Ba, Ce, Pbなどと,PはAs, V, Siと置換。(CO3)が(PO4)の一部を置換できる。ふつう六角柱状~六角板状結晶,その他粒状,塊状,土状。無色・白~灰・黄~緑・青・紫・ピンク~紅色など変化に富む。条痕白色。透明ないし半透明ガラス~土状光沢。劈開{0001}に不明瞭。硬度5,比重3.1~3.2。薄片では無色,屈折率ω1.603~1.667, ε1.598~1.665。フッ素りん灰石では,ω1.633~1.650, ε1.629~1.646程度。一軸性負。しばしば二軸性(2a(-)≦20°)のものが観察される。ときにりん光,蛍光を発する。ほとんどの火成岩・変成岩・隕石中に副成分鉱物としてきわめてふつうに産する。ペグマタイト・スカルン・鉱脈中にはときどき巨大な結晶が産する。日本では,山梨県北杜市須玉町小尾八幡(ペグマタイト),埼玉県秩父市大滝渦ノ沢(スカルン),栃木県日光市足尾町足尾鉱山(鉱脈)などが主な産地。堆積性のりん灰石には,微細でほとんど非晶質のものがある。海水や淡水からの沈殿物としてもみられ,層状・団塊状をなして堆積岩中に産する。生物の硬組織(骨・歯の象牙質とエナメル質およびセメント質,腕足類の殻)にみられる生体アパタイトの基本は水酸りん灰石であるが,結晶性が低く種々の置換を伴う(低いCa/P比)。化石化したものでは年代の古いものほどOHがFに置換される傾向があり,OH/Fによって相対的な年代が推定できることがある。コウモリの生息する洞窟中にもよくみられる。次のものはりん灰石の旧名:asparagus stone, eupyrchroite, grodonolite, monite, moroxite, naturuite, odontolite, ornithite, podolite, pyroclasite, quercyite, sombrerite, staffelite, voelckeriteはoxyapatite, francoliteはcarbonate-fluorapatite, dahlliteはcarbonate-hydroxyapatite。phosphoriteはリン酸カルシウムからなる岩石の名前。名称は多くのふつうの鉱物(緑柱石・かんらん石・蛍石など)と似ていて混同されていたため,ギリシア語の「惑わす」を意味するapatasに由来。
執筆者:松原 聰・寒河江 登志朗・秋月 瑞彦
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
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