燐灰石(読み)リンカイセキ

デジタル大辞泉 「燐灰石」の意味・読み・例文・類語

りんかい‐せき〔リンクワイ‐〕【×燐灰石】

弗素ふっそ塩素を含むカルシウム燐酸塩鉱物。ふつう無色透明であるが、ときに白色・淡青色・淡緑色・黄色などを呈し、ガラス光沢がある。柱状板状結晶または粒状六方晶系の原料鉱石。肥料医薬などに利用アパタイト

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精選版 日本国語大辞典 「燐灰石」の意味・読み・例文・類語

りんかい‐せきリンクヮイ‥【燐灰石】

  1. 〘 名詞 〙 弗素・塩素を含むカルシウムの燐酸塩鉱物。通常無色透明だが、ときに緑・青などを帯び、ガラス光沢を有し、もろい。六方晶系、柱状、針状結晶火成岩鉱脈中に産する。肥料や医薬用。〔鉱物字彙(1890)〕

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最新 地学事典 「燐灰石」の解説

りんかいせき
燐灰石

apatite

りん灰石上族,りん灰石族の総称。そのうちCaとPO4からなるものをたんにりん灰石ということが多い。アパタイトとも。fluorapatite・hydroxylapatite・chlorapatiteの3種類あるが,とくにフッ素りん灰石を意味することも多い。Ca5(PO43(F, Cl, OH) 六方晶系,空間群P63/m, 格子定数a0.9368~0.9634nm, c0.6778~0.6884, a/cが大きい順に,Cl, OH, Fの端成分に富む。単位格子中2分子含む。フッ素りん灰石では,Fは対称面の上にあり,その対称は六方晶系である。一方,水酸または塩素りん灰石では,OHやClは対称面からはずれるために,その対称は単斜晶系(b=2a)まで低下する。(F, Cl)や(F, OH)りん灰石では,F/ClやF/OHの秩序配列のために,対称性は単斜晶系や三斜晶系まで低下する。CaはSr, Ba, Ce, Pbなどと,PはAs, V, Siと置換。(CO3)が(PO4)の一部を置換できる。ふつう六角柱状~六角板状結晶,その他粒状,塊状,土状。無色・白~灰・黄~緑・青・紫・ピンク~紅色など変化に富む。条痕白色。透明ないし半透明ガラス~土状光沢。劈開{0001}に不明瞭。硬度5,比重3.1~3.2。薄片では無色,屈折率ω1.603~1.667, ε1.598~1.665。フッ素りん灰石では,ω1.633~1.650, ε1.629~1.646程度。一軸性負。しばしば二軸性(2a(-)≦20°)のものが観察される。ときにりん光,蛍光を発する。ほとんどの火成岩・変成岩・隕石中に副成分鉱物としてきわめてふつうに産する。ペグマタイトスカルン・鉱脈中にはときどき巨大な結晶が産する。日本では,山梨県北杜市須玉町小尾八幡(ペグマタイト),埼玉県秩父市大滝渦ノ沢(スカルン),栃木県日光市足尾町足尾鉱山(鉱脈)などが主な産地。堆積性のりん灰石には,微細でほとんど非晶質のものがある。海水や淡水からの沈殿物としてもみられ,層状・団塊状をなして堆積岩中に産する。生物の硬組織(骨・歯の象牙質とエナメル質およびセメント質,腕足類の殻)にみられる生体アパタイトの基本は水酸りん灰石であるが,結晶性が低く種々の置換を伴う(低いCa/P比)。化石化したものでは年代の古いものほどOHがFに置換される傾向があり,OH/Fによって相対的な年代が推定できることがある。コウモリの生息する洞窟中にもよくみられる。次のものはりん灰石の旧名:asparagus stone, eupyrchroite, grodonolite, monite, moroxite, naturuite, odontolite, ornithite, podolite, pyroclasite, quercyite, sombrerite, staffelite, voelckeriteはoxyapatite, francoliteはcarbonate-fluorapatite, dahlliteはcarbonate-hydroxyapatite。phosphoriteはリン酸カルシウムからなる岩石の名前。名称は多くのふつうの鉱物(緑柱石・かんらん石・蛍石など)と似ていて混同されていたため,ギリシア語の「惑わす」を意味するapatasに由来。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「燐灰石」の意味・わかりやすい解説

燐灰石
りんかいせき

フッ素燐灰石に代表される鉱物の系列の総称。かつてはフッ素燐灰石がもっとも普通の燐灰石系鉱物であったため、単に燐灰石といえばフッ素燐灰石をさしていたが、現在は細分された名称が用いられている。したがって鉱物学的には、フッ素燐灰石、水酸燐灰石、塩素燐灰石、単斜型塩素燐灰石の4種類の独立種を含むことになる。

[加藤 昭]


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