爛脱(読み)らんだつ

精選版 日本国語大辞典 「爛脱」の意味・読み・例文・類語

らん‐だつ【爛脱・乱脱】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 書物の紙がいたんで、字句文脈が通じなくなること。また、行文の序次が混乱して文意が通じないこと。
    1. [初出の実例]「此序乱脱したぞ、自頭至勒矣其下に服其━至不隠悪の廿六字が入る也」(出典:史記抄(1477)三)
    2. [その他の文献]〔楊倞‐荀子注序〕
  3. 古代の漢文訓読法の一つ。訓読の際、原文順序を入れかえて読み、文意を通じやすくすること。
    1. [初出の実例]「史記爛脱は只三巻也〈本紀第一。第四。第五伝也〉後漢書には廿八将論也。共有注。有別紙」(出典江談抄(1111頃)五)
  4. 定められた順序を守らないこと。
    1. [初出の実例]「但後代遂前途之輩守次第之登用、不乱脱之儀」(出典:醍醐寺文書‐応永二二年(1415)三月二一日・東寺長者祐厳拝堂記)
  5. ( 形動 ) 素行などが乱脈であること。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「Randatna(ランダツナ) ヒト〈訳〉生活の乱れた人」(出典:日葡辞書(1603‐04))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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