(読み)トク

デジタル大辞泉 「牘」の意味・読み・例文・類語

とく【牘】[漢字項目]

[音]トク(漢)
文字を書き記す木の札。文書手紙。「簡牘尺牘せきとく

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精選版 日本国語大辞典 「牘」の意味・読み・例文・類語

とく【牘】

  1. 〘 名詞 〙 ふだ。文字を書き記す木の札。笏。木簡
    1. [初出の実例]「各就行立位卿進就奏事位牘。奏云」(出典内裏式(833)五月五日観馬射式)
    2. [その他の文献]〔漢書‐昌邑哀王髆伝〕

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普及版 字通 「牘」の読み・字形・画数・意味


19画

[字音] トク
[字訓] ふだ・かきもの・てがみ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(しよく)。(とく)の声がある。声のものに細長い形のものをいうことが多く、牘は〔説文〕七上に「書版なり」とあって木簡をいう。書簡をまた尺牘(せきとく)というのは、一尺の木簡を用いたからである。大事は策にしるし、小事には簡牘を用いた。

[訓義]
1. ふだ、かきものふだ、書版。
2. かきもの、書冊など、木簡にしるしたもの。
3. てがみ、ふみ。
4. 舂牘(しようとく)は長い竹の楽器。地をたたいてならす。

[古辞書の訓]
立〕牘 フダ 〔字鏡集〕牘 フンダ

[語系]
牘dok、續(続)dziokは声義近く、細長く、連続するものの意がある。

[熟語]
牘書牘箋牘背牘尾
[下接語]
案牘・盈牘・牘・簡牘・牘・削牘・詩牘・執牘・書牘・章牘・舂牘・訟牘・尺牘・奏牘・短牘・版牘・筆牘・符牘・文牘・秉牘・牘・抱牘・吏牘・累牘

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【本】より

…竹はおおむね25~75cmの長さの簡(竹のふだ)で,これに8~30字くらいを1行に書く。30~100字くらいまでを書く必要のあるときは,ふつう90cm2の牘(とく)(木のふだ)を用いる。しかし100字以上を必要とする場合には,簡を何本でもなめし革で編みつらねたもの,すなわち〈冊(さく)〉をつくる。…

※「牘」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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