改訂新版 世界大百科事典 「牛王姫」の意味・わかりやすい解説 牛王姫 (ごおうのひめ) 古浄瑠璃の曲名。6段。1673年(延宝1)刊の八文字屋板が現存。慶長年間(1596-1615)には演じられていたことが推定されている。鎌田政清の妹牛王姫は,伯母の尼公の裏切りによって平家方にとらえられ拷問を受け,牛若丸の行方を追及されるが,白状をせず舌をくい切って自ら果てる。幸若舞曲《鎌田》,御伽草子《浄瑠璃物語》にも政清の妹が登場するところから,これらの間には伝承上,何らかの関係があったのではないかとされている。同材の作品に奥浄瑠璃《牛王乃姫》,加賀掾正本《牛若千人切》などがある。執筆者:山本 吉左右 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by