デジタル大辞泉 「状態ベクトル」の意味・読み・例文・類語 じょうたい‐ベクトル〔ジヤウタイ‐〕【状態ベクトル】 量子力学で物質系の状態を数学的に表すためのベクトル。無限次元に拡張されたヒルベルト空間における複素ベクトルであり、重ね合わせの原理を満たす。観測可能な物理量はこのベクトルに作用する演算子で表される。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「状態ベクトル」の意味・わかりやすい解説 状態ベクトルじょうたいベクトルstate vector 量子力学において,系の状態は抽象的な無限次元の複素ベクトル空間 (これをヒルベルト空間という) の1つのベクトルによって表現される。これを状態ベクトルと呼ぶ。物理量は状態ベクトルに作用する線形演算子である。系の時間的発展はシュレーディンガー描像またはハイゼンベルク描像によって記述される。シュレーディンガー描像では,系の物理量は時間的に変化せず,系の時間的発展は状態ベクトルの時間的変化で示される。これは波動力学の立場である。一方,ハイゼンベルク描像では,系の状態ベクトルは時間的に変化せず,系の時間的発展は系の物理量の時間的変化で示される。これは行列力学の立場である。この2つの描像は,同一の内容を違った観点からみて記述するものであるから,もちろん同一の結果を与える。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by
知恵蔵 「状態ベクトル」の解説 状態ベクトル 量子世界の状態を表すベクトル。状態の重ね合わせはベクトルの和で表現できる。観測によって、ある測定値が得られるとき、そのベクトルを固有ベクトル、値を固有値という。 (尾関章 朝日新聞記者 / 2007年) 出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報 Sponserd by