狂瀾を既倒に廻らす(読み)きょうらんをきとうにめぐらす

精選版 日本国語大辞典 「狂瀾を既倒に廻らす」の意味・読み・例文・類語

きょうらん【狂瀾】 を 既倒(きとう)に=廻(めぐ)らす[=反(かえ)す]

(韓愈の「進学解」の「障百川而東之、廻狂瀾於既倒」による。倒れかけた荒れ狂う大波を来た方向へ押し返す意から) 傾きかけた形勢を再びもと状態へひきもどすことのたとえにいう。回瀾(かいらん)を既倒に反す。
※常山文集(1718)四・五律「廻狂瀾既倒陶冶万方僧」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「狂瀾を既倒に廻らす」の意味・読み・例文・類語

狂瀾きょうらん既倒きとうめぐらす

韓愈「進学解」から》崩れかけた大波を、もと来た方へ押し返す。形勢がすっかり悪くなったのを、再びもとに返すたとえ。回瀾かいらんを既倒にかえす。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

故事成語を知る辞典 「狂瀾を既倒に廻らす」の解説

狂瀾を既倒に廻らす

不利になった形勢を、再び元の状態へ戻すことのたとえ。

[使用例] 藩論が決った今、狂瀾を既倒にかえすは、非常手段に出るほかは、ござらぬ[菊池寛*仇討禁止令|1936]

[由来] 八~九世紀、唐王朝の時代の中国の文人かん文章一節。正統から遠ざかっていく学問を元の正しい姿に戻すのは、「狂瀾を既倒に廻らす(荒れ狂う大きな波を、もと来た方向に押し戻す)」ようなもので、とても苦労の多いことだ、と述べています。

〔異形〕かいらんを既倒にかえす。

出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android