侍法師(読み)サムライホウシ

デジタル大辞泉 「侍法師」の意味・読み・例文・類語

さむらい‐ほうし〔さむらひホフシ〕【侍法師】

仁和寺などの門跡大乗院などの院家に仕えて、警固雑務に当たった法師後世は妻帯して剃髪ていはつせず、普通の侍と同様の姿をしていた。さぶらいほうし。

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精選版 日本国語大辞典 「侍法師」の意味・読み・例文・類語

さぶらい‐ほうし さぶらひホフシ【侍法師】

〘名〙 仁和寺・大乗院などの門跡、または院家、あるいは院の御所などに仕えて警護をした僧。後世は剃髪(ていはつ)せず、妻帯して、その姿とともに普通の侍と異ならなくなった。法橋(ほっきょう)法眼(ほうげん)などの僧位に叙せられた。侍僧。さむらいほうし。
古今著聞集(1254)一一「同僧正の許に、絵かく侍法師ありけり」

さむらい‐ほうし さむらひホフシ【侍法師】

随筆貞丈雑記(1784頃)四「侍法師(サムラヒホウシ)と云も門跡に奉公する者也」

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世界大百科事典(旧版)内の侍法師の言及

【侍】より

…また江戸時代に一般的に使われた侍という用語には,儒教思想の士と重なった農工商に対する治者階級の意味が強まるが,法制上の用語としては,幕府では御目見(おめみえ)以上の旗本,諸藩では中小姓以上に侍を限定しており,徒(かち)・中間(ちゆうげん)などの下級武士とは峻別されていた。 なお,中世には高貴な出自の僧侶につかえた僧形の侍者を〈侍法師〉とよんだが,この侍の用語には,格式の高い寺院につかえる武士を〈寺侍〉とよんだ江戸時代の用語と違った,古代的な特徴が認められる。【福田 豊彦】。…

※「侍法師」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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