日本大百科全書(ニッポニカ) 「独立社会民主党」の意味・わかりやすい解説
独立社会民主党
どくりつしゃかいみんしゅとう
Unabhängige Sozialdemokratische Partei Deutschlands
略称USPD。ドイツの政党。第一次世界大戦中の1917年4月、ドイツ社会民主党主流派の戦争協力政策に反対する一派が、同党から離れて結成した。ハーゼらマルクス主義中央派の勢力を中心とし、修正主義派やスパルタクス派も加わり、党員は約12万といわれる。18年11月のドイツ革命では、社会民主党とともに人民代表評議会を組織したが、12月末、脱退した。一方、同じころ、スパルタクス派がドイツ共産党を結成して党を離れたが、19年の国民議会選挙では独立社会民主党は230万票、22議席を獲得、さらに20年の国会選挙では490万票、81議席を獲得し、とくに左派が進出した。しかし同年10月、コミンテルン加盟問題で分裂し、左派は共産党と合同、右派は22年社会民主党に復帰した。一方、レーデブーアGeorg Ledebour(1850―1947)ら残余の少数派はなお党を存続させたが、分派にすぎない存在となった。
[松 俊夫]