猪爪村(読み)いのつめむら

日本歴史地名大系 「猪爪村」の解説

猪爪村
いのつめむら

[現在地名]日高町猪爪

なか村の西、八代やしろ川の中流域に位置する。猪之爪とも書いた(天保郷帳など)。文明三年(一四七一)成立の「大須賀時基郡境記」に、「八代城崎の郡のこと(中略)西にての境、猪の爪いのつめはほとがぢそう」と、当地が気多けた郡八代庄と城崎きのさき郡の境と記される。江戸時代の領主の変遷はたに村に同じ。寛永一六年(一六三九)の知高帳によると高一三九石余。正保(一六四四―四八)頃成立の国絵図には「猪ノ爪」とみえ、高は同じ。宝永七年(一七一〇)の村明細帳(吉谷家文書)に、領主杉原氏による検地があったことが記されるが年次は不明。往古高一三九石、中古高一六六石余とあるので、一六六石余が杉原氏による内検地高であろう。


猪爪村
いのつめむら

[現在地名]丸岡町猪爪

丸岡城下の南東に接する農村。南東は小黒おぐろ村。天正八年(一五八〇)閏三月五日付の越前在々宛教如書状(福円寺文書)に「井のつめ」がみえる。慶長一一年(一六〇六)頃の越前国絵図では「高ほこノ郷」のうちに含まれる。村名は正保郷帳にみえ、田方八九三石余・畠方三三石余。寛政元年(一七八九)四月の御巡見様御案内高付覚(土肥家文書)によると、家数四〇で馬一〇頭であった。

北方字「たいちん」に「たいちんの池」、また東方には「弁天清水べんてんしようず」の湧水池があり、飲料や灌漑に利用されてきた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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