日本歴史地名大系 「玉列神社」の解説 玉列神社たまつらじんじや 奈良県:桜井市朝倉・初瀬・上之郷地区慈恩寺村玉列神社[現在地名]桜井市大字慈恩寺三輪(みわ)山の南麓、慈恩寺(じおんじ)集落北の小丘に鎮座。祭神は玉列王子で、天照(あまてらす)大神・春日(かすが)大神を配祀する。旧村社。「延喜式」神名帳に「玉烈(タマツラノ)神社」とみえ、同書内蔵寮に大神祭の夏祭料として緋帛一丈五尺を「玉列王子(たまつらのみこ)」に奉らしめたとあるように、大神(おおみわ)神の裔神と考えられている。慈恩寺の氏神で東方に神宮寺慈恩寺があった。明治一〇年(一八七七)大神神社(現桜井市)の境外摂社となり、祭祀は大神神社の奉祭となっている。「万葉集」に「つらつら椿」と歌われることから当社は一に玉椿(たまつばき)明神とも称され、一〇月一二日の例祭を俗に椿祭という。慈恩寺区有の絵図には現在参道途中西側に鎮座する末社祓戸(はらいど)社の付近に玉列神社を記し、現社地は春日神社となっている。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報