追分(読み)おいわけ

精選版 日本国語大辞典「追分」の解説

おい‐わけ おひ‥【追分】

[1] 〘名〙
① 道の二つに分かれる所。分岐点各地地名として残る。
※新撰六帖(1244頃)二「旅人野中の道のおひわけに名残おほくも行き別れぬる〈藤原家良〉」
※春潮(1903)〈田山花袋〉四「追分やら、端歌やら、都々逸やら、義太夫やらの限りを尽した一箇の公浴場があって」
[2]
[一] 東京都文京区向丘にあった中山道と岩槻街道日光御成道)との分岐点。江戸のはずれといわれた。
[二] 長野県北佐久郡軽井沢町の地名。中山道の沓掛小田井の間の宿駅で、北国街道の分岐点にあたった。追分節の発祥地という。
[三] 滋賀県大津市の地名。京都市山科区の北東方にあり、京街道(旧東海道)から伏見に向かう街道が分岐する。
[四] 三重県四日市市の地名。江戸時代、東海道から参宮道(伊勢路)が分かれる立場(たてば)があった。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「追分」の解説

追分
おいわけ

日本民謡のなかで,『八木節』のように明確なリズム感をもつ曲に対して,規則的な拍節感をもたない型の代表的曲種名。本来「追分」とは街道などの分岐点を意味する語。中山道と北国街道との分岐である長野県追分宿で,江戸時代に付近で歌われていた馬子唄を,三味線にのせて歌いだしたのがそもそも『追分節』の名の起り。それが新潟を経て海路北海道まで渡り,音楽的に洗練された。『江差追分』は特に有名だが,この曲が三味線でなく尺八を伴い,現在の3部分形式に完成されたのは,明治後期の東京進出時。その流行に刺激されて,本州各地に地名を冠した追分が発生。独唱音域が広く,声を長く延ばし,細かい節回しなど,個人的感情をこめた装飾的動きが多い。

追分
おいわけ

信濃追分とも呼ばれる。長野県東部,浅間山南麓,軽井沢町西部の集落。明治初期までは中山道北国街道の分岐点にある宿場町で,軽井沢,沓掛とともに浅間三宿と呼ばれて繁栄した。信越本線開通により衰微したが,第2次世界大戦後は周辺に別荘地の開発が進み,西軽井沢と呼ばれるようになった。街道の分岐点には分去 (わかさ) れの常夜灯があって,近世街道の面影を残す。

追分
おいわけ

北海道南西部,安平町北部の旧町域。 1953年町制施行。 2006年早来町と合体して安平町となった。北海道炭鉱鉄道の敷設 (1889) および国鉄追分駅,機関庫の設置 (1892) により人口が増加。 JR室蘭本線と石勝線の分岐点にあたる交通の要地である。火山灰地が多く,米作,野菜・メロン栽培が行なわれる。

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百科事典マイペディア「追分」の解説

追分【おいわけ】

長野県東部,北佐久郡軽井沢町,しなの鉄道信濃追分駅付近の旧宿場町。〈追分〉は本来街道の分岐点をさす言葉で,この地も中山道と北国街道の分岐点であった。東の沓掛(くつかけ),軽井沢とともに浅間根三宿の一つで,三宿のうち最も繁盛。現在は軽井沢別荘地の一部。追分節の発祥地。

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世界大百科事典 第2版「追分」の解説

おいわけ【追分】

長野県北佐久郡軽井沢町の大字。中山道と北国街道の分れ目の追分は近世の宿名として有名になった。古代には《延喜式》の長倉駅,長倉牧,長倉神社があった地域と考えられ,現地の諏訪神社にある大般若経には1169年(嘉応1)の〈佐久郡長倉郷逐分大明神〉とあるのをはじめ,逐分諏訪大明神,追分諏訪神社と記したものが数多く,古くからの地名であったことが知られる。近世には中山道の沓掛(くつかけ),小田井両宿の中間の宿で,軽井沢,沓掛とともに浅間三宿といわれた。

おいわけ【追分】

街道の分岐点をいう。そこまでは一本であった道が二つに分かれ,それぞれ異なる方向に進みはじめるところである。追ってきたを,どちらか一方の道に〈追い分ける〉ことから生じた名称と言われている。〈追分〉という地名は今も各地に残されている。その代表例として著名なのは長野県北佐久郡軽井沢町の追分で,中山道と北国街道の分岐点であった。江戸時代,ここには宿駅が設置され,多くの旅人でにぎわった。なお,追分の地名は,目的地を異にする分岐点にのみあるわけではなく,新道が旧道から分かれるところ,あるいは同じ目的地へ向かう幾筋かの道が分かれるところにも残されている。

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