中国古代の仙人。後漢の蔡邕(さいよう)の〈王子喬碑文〉はいつの時代の人かわからぬという。《列仙伝》は,《国語》や《逸周書》に賢者として見える太子晋に結びつけ,周の霊王の太子の姫晋であるとする。笙の笛を吹くことを好み,鳳凰の鳴声を模することができた。道士の浮丘公に会い,つれられて嵩高山(すうこうざん)に入って仙人となった。魏晋南北朝時代以来,赤松子とならんで古代の仙人の代表とされ,詩文や絵画に登場することが多い。王子喬が升仙の後,白鶴に乗って出現し人々に挨拶したとされる偃師(えんし)の緱氏山(こうしざん)には彼の廟があり,唐の則天武后がそれを修復して建てた〈升仙太子碑〉は,飛白書という特殊な書体で書かれたものとして有名。
執筆者:小南 一郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
企業の退職を希望する従業員本人に代わって退職に必要な手続きを代行するサービス。依頼者と会社の間に入ることで円滑な退職をサポートするとともに、会社への連絡などを代わりに行うことで依頼者の心理的負担を軽減...