珪酸カルシウム(読み)けいさんカルシウム

精選版 日本国語大辞典 「珪酸カルシウム」の意味・読み・例文・類語

けいさん‐カルシウム【珪酸カルシウム】

  1. 〘 名詞 〙 ( カルシウムは[英語] calcium ) 酸化カルシウム二酸化珪素との結合した組成をもつ化合物。酸、アルカリ、水に作用されにくい。セメント主成分

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化学辞典 第2版 「珪酸カルシウム」の解説

ケイ酸カルシウム
ケイサンカルシウム
calcium silicate

ケイ酸のCa塩.次の3種類が代表的なもの.【】オルトケイ酸カルシウム:Ca2SiO4(172.24).セメントクリンカーの10~40% を占める主成分の一つで,セメント業界ではケイ酸二石灰(belite)とよばれる.独立した四面体型構造のSiO4からなる.[CAS 10034-77-2]【ケイ酸三カルシウム(五酸化ケイ素三カルシウム):Ca3SiO5(228.32).固体中には独立した四面体型のSiO4とOを含み,酸化物ケイ酸塩とみなされる.セメントクリンカーの40~70% に当たる主成分で,セメント業界ではケイ酸三石灰(alite)とよばれる.[CAS 12168-85-3]【】メタケイ酸カルシウム (CaSiO3)n(116.16×n).室温で安定なβ相は天然にケイ灰石(wollastonite)として産出する三斜晶系.密度2.9 g cm-3.1190 ℃ でα相にかわる.α相も,擬ケイ灰石(pseudowollastonite)として存在する.CaOとSiO2(工業的には石灰石とけいそう土)の微粉を混合し高温で反応させて合成する.おもな用途は,窯業の焼成の際の収縮気体発生,ひび割れ防止用添加材,プラスチック・ゴムの張力剛性・耐熱性改善用添加材,塗料の耐久性向上用添加剤,建築用アスベスト代替品など.[CAS 1344-95-2]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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