理化学用ガラス(読み)リカガクヨウガラス(その他表記)laboratory glass

日本大百科全書(ニッポニカ) 「理化学用ガラス」の意味・わかりやすい解説

理化学用ガラス
りかがくようがらす
laboratory glass

フラスコビーカーなどの理化学実験用として用いられるガラス。酸などの薬品に侵されない優れた化学耐久性と、急激な加熱冷却による温度変化に対しても割れない耐熱性および耐久性が要求される。汎用されているガラスはコーニング社のパイレックスおよび類似組成のガラスで、酸化ホウ素B2O3と二酸化ケイ素SiO2主成分にもつ低熱膨張性のホウケイ酸塩系ガラスである。理化学用実験器具のほかに、アンプル管温度計などにも用いられている。

[伊藤節郎]

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百科事典マイペディア 「理化学用ガラス」の意味・わかりやすい解説

理化学用ガラス【りかがくようガラス】

理化学用実験器具のほか,燃焼管,アンプル管,水面計,温度計などに用いられるガラスをいう。化学的耐久性,耐熱性が高く,膨張率の低いことが必要。ホウケイ酸ガラスが主だが,石英ガラスなども使用される。
→関連項目ガラス

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世界大百科事典(旧版)内の理化学用ガラスの言及

【ガラス】より

… 板ガラスは安定に製造でき,かつ耐候性にすぐれていることの必要性から,この表2に示すような組成が選ばれている。ビーカーなどの理化学用ガラスは,耐薬品性,耐熱衝撃性が重要な要素である。一般にNa2Oなどのアルカリイオンを多量に含有するガラスはこれらの性質がよくないので,アルカリ量を減少させる必要があるのだが,そのために生ずるガラス化の困難さを解消するためにB2O3成分を加えたものが,理化学用ホウケイ酸ガラスである。…

※「理化学用ガラス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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