日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビーカー」の意味・わかりやすい解説
ビーカー
びーかー
beaker
化学実験器具の一つ。平底円筒形で開口部が広く、液体の注ぎ口がある容器。液体の分取(ぶんしゅ)、溶液の調製、加熱、冷却、攪拌(かくはん)(かきまぜ)、沈殿生成などの操作を行うのに用いられる。容量数ミリリットルのミクロビーカーから10リットルを超える大形ビーカーがあり、実験の規模に応じて使用する。高さに比べて口径が細いものをトールビーカー、上部に向かって円筒部が細くくびれたものをコニカル(三角)ビーカーとよぶ。一般には薄肉硬質ガラス製のものを使うが、着色ガラス、石英ガラス、磁器、白金、ほうろう鉄器、ポリエチレン、フッ素樹脂などの材質のビーカーが用途に応じて使われる。容量目盛りのつけられたものは目安目盛りであり、測容器としての目盛りではない。
[岩本振武]