江戸後期の歌文集。村田春海(はるみ)著。全15巻。9巻までが歌集で、あとの6巻が文集。1813年(文化10)刊。『琴後集別集』は未刊のまま写本が伝わっている。歌風は古今調をもとにしたもので、「とまり舟とまの雫(しづく)の音たえて夜はの時雨(しぐれ)ぞ雪になりゆく」などの作がある。典雅ではあるが、理知的な技巧を弄(ろう)した歌が多いと評される。青年時に漢詩文を学んだ教養を生かしたような作が目だつほか、長歌も多く収める。また名文家と称されただけに、文章も数多く収録されており、江戸派の歌論を知ることができる。
[揖斐 高]
『『校註国歌大系16 近代諸家集2』(1929・国民図書)』
春になって暖かくなりかけた頃、急に寒さが戻って、地面などがまた凍りつく。《 季語・春 》[初出の実例]「七瀬御秡 同晦日也。〈略〉雪汁いてかへる」(出典:俳諧・誹諧初学抄(1641)初春)...