琴村(読み)きんむら

日本歴史地名大系 「琴村」の解説

琴村
きんむら

[現在地名]対馬町琴

舟志しゆうじ浦の南西にある。東海岸に面して茂木もぎ浜・ごうノ浦などがあり、東部にかな山・じようノ嶽などが連なる。「津島紀略」に「琴之東辺有壌地、曰藻木」とあるが、これは茂木をさす。天正二〇年(一五九二)三月壱岐風本かざもと(現勝本町)から対馬の「東ノ浦」「金ノ浦」、住吉すみよし瀬戸(現美津島町)などに着岸した諸船はわに浦で船揃いを行い、大船五〇〇艘が出船しているが(朝鮮日日記)鍋島直茂の士卒・船頭・水主の船も、「ふちう」(現厳原町)から「きんのうら」に回り、豊崎とよさきに向かった(「高麗日記」田尻家譜)。「郡方毎日記」寛永一五年(一六三八)条に「きん」および「もぎ」がみえる。正保二年(一六四五)の二郡村々物成では琴村として籾一石七斗余・麦二一石余(うち一石余は旱損所)。万治三年(一六六〇)検地帳では伊奈いな郡琴村として高二九石余。


琴村
ことむら

[現在地名]金沢市琴町

上平うわだいら村の北、材木ざいもく川右岸に位置。西は同川を挟んで琴坂ことさか村。正保郷帳によれば高二二石余、田方六反・畑方八反余。寛文一〇年(一六七〇)の村御印の高二七石、免四ツ三歩、小物成は山役二九匁・草野役五匁(三箇国高物成帳)。寛文年間の百姓数一(高免付給人帳)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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