環状星雲(読み)カンジョウセイウン(その他表記)Ring Nebula

デジタル大辞泉 「環状星雲」の意味・読み・例文・類語

かんじょう‐せいうん〔クワンジヤウ‐〕【環状星雲】

琴座にある惑星状の星雲中心高温星を取り巻くガス環状に光って見える。リング星雲。

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精選版 日本国語大辞典 「環状星雲」の意味・読み・例文・類語

かんじょう‐せいうんクヮンジャウ‥【環状星雲】

  1. こと座のβ(ベータ)星の近くにある指輪形の星雲。銀河系内の惑星状星雲距離二六〇〇光年。こと座環状星雲。

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改訂新版 世界大百科事典 「環状星雲」の意味・わかりやすい解説

環状星雲 (かんじょうせいうん)
Ring Nebula

M57,NGC6720。こと座にある惑星状星雲。こと座のβ星とγ星の間にきれいな環状をして輝いている。明るさは9.4等級で,あれい星雲より暗いので,1779年になって発見された。数万年前に中心星の大気が不安定になり,太陽質量の0.3倍くらいのガスが放出された。ガスの膨張速度は毎秒10kmあまりである。短期間に一気に放出されたガスが球殻状に分布しているので,見かけの効果で環状に見えている。0.5光年に広がっているが,距離が2300光年もあるので,1′×1.4′程度にしか見えない。そのため,口径5cm以上の望遠鏡で倍率30倍以上でないと,きれいな環状構造を見ることができない。星雲ガスは1万Kもの高温になっており,中心星の放射する紫外光によって電離され輝いている。密度は1cm3あたり原子数にして1万個くらいあり,散光星雲より密度が高い。これらのことから,距離が遠くて,質量が小さいにもかかわらず表面輝度が明るい。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「環状星雲」の意味・わかりやすい解説

環状星雲
かんじょうせいうん
Ring nebula

こと座にある美しい惑星状星雲(M57、NGC6720)。指輪の形に見えることからこの名前がついた。見かけの大きさは約1分角で、明るさは約9等である。地球からの距離は約2600光年で、実際の大きさは約1光年である。すばる望遠鏡などによる最近の観測から、指輪に見える明るいリングの外側に、淡い二重のリングがあり、中心星からの質量放出が複数回、間欠的に起こったことがわかる。ガスの膨張速度は毎秒20キロメートル程度である。リング部分は面輝度が高く、小型望遠鏡でも見えるので、夏の天体観望の好対象として親しまれている。

[岡村定矩]


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百科事典マイペディア 「環状星雲」の意味・わかりやすい解説

環状星雲【かんじょうせいうん】

こと座のβ星とγ星の間に環状に輝いている惑星状星雲(M57またはNGC6720)。中心星のまわりをガスがとりまいて光る。距離2300光年。
→関連項目惑星状星雲

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「環状星雲」の意味・わかりやすい解説

環状星雲
かんじょうせいうん
ring nebula

星雲一つで,円形ないし楕円形惑星状星雲の代表的なもの。球殻状に広がったガス体を透視するため環状に見える。こと座の環状星雲 M57などが代表的。

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世界大百科事典(旧版)内の環状星雲の言及

【星雲】より

…そのガスは太陽質量の20%くらい,半径は0.1~2.0光年(6000~1万天文単位)で輝いている。太陽からの距離2000~3000光年以内の明るい惑星状星雲には,こぎつね座の亜鈴状星雲,みずがめ座の土星状星雲,こと座の環状星雲,おおぐま座のふくろう星雲などと,表面の模様によって固有名がついている。銀河系内に1000個余りが知られていて,いて座の銀河中心方向に数多く密集している。…

※「環状星雲」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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