(読み)ヘ

デジタル大辞泉 「瓮」の意味・読み・例文・類語

へ【×瓮】

酒などを入れる容器かめ
「―二十ばかり据ゑて」〈宇津保・吹上上〉

もたい〔もたひ〕【×瓮/×甕/×罇】

水や酒を入れる器。〈和名抄

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精選版 日本国語大辞典 「瓮」の意味・読み・例文・類語

へ【瓮】

  1. 〘 名詞 〙 酒食を入れる容器。瓶(かめ)。もたい。複合して「いわいべ」「つるべ」などの語をつくる。
    1. [初出の実例]「十石いるばかりのへ、二十ばかり据ゑて、酒造りたり」(出典:宇津保物語(970‐999頃)吹上上)

瓮の補助注記

延喜式祝詞出雲国造神賀詞(出雲板訓)」に「夜は如火瓮(ほヘな)す光(かかや)く神(かみ)(あ)り」とある。


もたいもたひ【瓮・甕・&JISEDB7;】

  1. 〘 名詞 〙 酒を入れる器。もたえ。
    1. [初出の実例]「出雲国言さく、神戸の郡に瓜有り大きさ缶(モタヒ)(〈別訓〉ほとき)の如し」(出典日本書紀(720)推古二五年六月(岩崎本室町時代訓))

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普及版 字通 「瓮」の読み・字形・画数・意味


9画

[字音] オウ(ヲウ)
[字訓] かめ・ほとぎ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(公)(こう)。公に(翁)(おう)の声がある。〔説文〕十二下に「罌なり」とあり、罌は頸部の大きな瓶をいう。〔玉〕に「瓮は大なり」とみえる。

[訓義]
1. かめ、みか、ほとぎ。
2. また甕に作る。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕瓮・ 保止(ほとぎ) 〔名義抄〕瓮 ヘ 〔字鏡集〕 ヒラカ/甕 オホカメ・オホイナルカメ・モタヒ・ヲヲキナリ

[語系]
瓮・甕・罌ongは、engと声義近く、angも旁転の語。みな頸部の大きな器をいう。雍はむね、央は首枷(くびかせ)、嬰は首飾り。みな盛り上がり、ふくよかの意がある。語彙は甕字条参照。

[熟語]
瓮水・瓮精

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