甘粕村(読み)あまがすむら

日本歴史地名大系 「甘粕村」の解説

甘粕村
あまがすむら

[現在地名]美里町甘粕

天糟とも記す。東の山崎山やまざきやま丘陵と西の松久まつひさ丘陵に挟まれ、中央部を天神てんじん川が北流する。南は猪俣いのまた村と中里なかざと村、北は古郡ふるこおり村。北から甘粕・西甘粕・東甘粕の集落が松久丘陵に接し、東部から北部にかけて水田、丘陵中に谷津状の小さな水田が延びている。猪俣党甘糟氏の本貫地とされ、猪俣党系図(諸家系図纂)によると猪俣忠基(猪俣党の祖時資の曾孫)の子家基は甘糟七郎と称している。元暦元年(一一八四)八月一八日、武蔵国住人甘糟野次広忠(家基の子)無勢にもかかわらず平家追討のため西海に赴くことを願出たため、所領の万雑公事を免除されている(「吾妻鏡」同日条)

甘粕村
あまかすむら

[現在地名]寄居鉢形はちがた

関山せきやま村と複雑に入組むため村域は明確でないが、東は保田原ほだわら村・露梨子つゆなし村。戦国期鉢形城の城下にあたるといわれる。永禄八年(一五六五)五月、おし(現行田市)城主成田氏長は「藤田之内甘糟之商人長谷部源三郎」を忍領の足軽であると証明している(「成田氏長判物」町田文書)。明暦元年(一六五五)の鉢形領総検地により関山村から分村したとみられ、寛文三年(一六六三)忍藩領となる(「寛文朱印留」など)。元禄郷帳では高一二五石余。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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