生残曲線ともいう。生物にはその種特有の生理的寿命があるが,大部分の生物は,なんらかの原因により,その寿命年齢以前に死亡する。あるときに産出された1群の同種個体群(コホートcohort)が,時間経過にともない,どれだけ生き残っているかをグラフ上に図示したものを生存曲線という。この曲線は3型に類別されており,進化との関連で議論されることもある。まず初めは,初期死亡量が少なくて,老年期に死亡量が増加する矩形型で,人類がその例である。ついで,ある鳥類のように,死亡率が年齢によらず一定であれば,対角線型の曲線となる。初期死亡量がひじょうに多いある魚類では,L字形の曲線,逆矩形型を示す。生存曲線型は,しかしながら,種に特徴的であるが,固定的ではない。1群の同種個体群の大きさ(初期生存数),生活空間や食物量などの生活資源量条件,あるいは天敵の数量,気候条件などにより,ある種の生存曲線はさまざまに変化する。個体群の変動要因分析に役だっている生命表解析法は,この生存曲線の形の変化に注目したものである。なお,生存曲線は齢別生命表の値をもとにしてつくられることが多い。
→生命表
執筆者:立川 賢一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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