生締(読み)ナマジメ

デジタル大辞泉 「生締」の意味・読み・例文・類語

なま‐じめ【生締】

歌舞伎かつら一種で、まげを油で棒状に固めたもの。石切梶原佐々木盛綱熊谷直実など時代物分別ある武士の役に用いることが多いので、これらの役柄をもさす。

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精選版 日本国語大辞典 「生締」の意味・読み・例文・類語

なま‐じめ【生締】

  1. 〘 名詞 〙 歌舞伎の鬘(かつら)一つ。油で棒のように固めた髷(まげ)。特に、時代物で、畠山重忠、石切り梶原、佐々木盛綱のような分別ある武士の役に用いることが多いので、捌役(さばきやく)通称ともなる。
    1. 生締〈戯場訓蒙図彙〉
      生締〈戯場訓蒙図彙〉
    2. [初出の実例]「細身の脇差、本田になまじめ」(出典:談義本・興談浮世袋(1770)二)

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世界大百科事典(旧版)内の生締の言及

【歌舞伎】より

… にも役柄によって定められた類型がある。実事の役に使う〈生締(なまじめ)〉,大盗賊の〈百日鬘〉(大百(だいびやく)),傾城の〈立兵庫(たてひようご)〉,御殿女中の〈片はずし〉などは代表的なもので,基本的なもの数十種と,それらの部分の組合せによる膨大な数の種類がある。上にあげたような代表的な鬘は,鬘の名がそのまま役の性格を示すようになっているのを見ても,歌舞伎の演技・演出の中に鬘が占めている重要性が理解できよう。…

※「生締」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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