田浦阿蘇神社(読み)たのうらあそじんじや

日本歴史地名大系 「田浦阿蘇神社」の解説

田浦阿蘇神社
たのうらあそじんじや

[現在地名]田浦町田浦

旧田浦村東方の平地、字神カミのさこにある。祭神は健磐龍命をはじめとする阿蘇十二神、旧郷社。「国誌」に「阿蘇宮祭九月十八日 社人下田右京進勧請年代未考之、当村台宗法雲寺及社人祭祀ヲ勤ム」と記され、寛永一八年(一六四一)焼失、同二〇年再建されたが、由緒は不明という。現在の祭礼は一月一八日。参道入口のみや馬場ばばに「ほんじ」とよばれる法雲ほううん寺跡があり、現在は牧山まきやまから移された馬頭観音の小堂となっているが、その法雲寺について「国誌」に「台宗叡山正覚院末寺、阿蘇宮ノ社僧也、旧曰長松院、田浦城主ノ祈願所ナリ」とあるので、当社と法雲寺とは、口黒くちぐろ城を本拠とした中世葦北地方の豪族檜前氏の祈願所として栄えたと推測される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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